最終更新日:2021年4月28日
「ネット上では、行政書士試験に受かるのは簡単だ」という風潮がありますが、行政書士試験の合格率は高い年でも15%ほど。
ここ7年の平均値でいえば12%を少し超える程度です。
簡単と言われるわりに合格率が低いと思いませんか?
今回は行政書士試験の合格率が低い理由についていっしょに考えましょう!

行政書士試験の合格率は?
わかりやすく表にまとめましたのでご覧ください。
年度 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成27年 | 56,965 | 44,366 | 5,820 | 13.1% |
平成28年 | 53,456 | 41,053 | 4,084 | 10.0% |
平成29年 | 52,214 | 40,449 | 6,360 | 15.7% |
平成30年 | 50,926 | 39,105 | 4,968 | 12.7% |
令和元年 | 52,386 | 39,821 | 4,571 | 11.5% |
令和2年 | 54,847 | 41,681 | 4,470 | 10.7% |
引用:一般財団法人 行政書士試験研究センター
冒頭で述べたとおり、直近7年の合格率は12%を少し超える程度です。
行政書士試験は絶対評価の試験ですので、周りの受験生の出来はまったく関係ありません。
300点満点中180点とれれば合格というシンプルな試験です。
合格率が低いのは受験資格がないから
まず一番に考えられる原因は、行政書士試験には受験資格がないことです。
受験資格については◆行政書士試験の受験資格!【敵を知り己を知れば百戦危うからず】で詳しく触れているので参考にしてください。
なぜ受験資格がないと合格率が低くなるのか、それは「まともに対策をせずに受験するひとがいっぱい含まれてしまうから」です。
行政書士試験は対策をすれば合格できる試験ですが、適当な勉強で合格できるほど甘くはありません。
なんとなく願書を提出してなんとなく不合格になるひとの割合がとにかく多いんです。
中には完全に記念受験と決め込んで試験を受けるひともいます。
それが悪いことだとは言いません。
しかしせっかく受験するのなら合格を目指して勉強する方がお得ですよね。
行政書士試験は科目数が多い
二番目に考えられる理由として行政書士試験は科目数が多いことがあげられます。
法令科目 | 一般知識 |
憲法 | 政治経済社会 |
民法 | 情報通信 |
行政法 | 文章理解 |
商法会社法 | |
基礎法学 |
ぱっと見た感じ、めちゃくちゃ大変そうに見えますよね。
しかしぶっちゃけた話、これは見せかけだけです。
勉強のほとんどは民法と行政法の学習にあてることになるので、実際には見た目ほどの分量はありません。

しかし、何もわからずどの科目にも平等に勉強時間を割り振る受験生が多いんです。
独学で合格を目指すひとに特に伝えておきたいのですが、各科目の勉強時間を一定だとは思わないでください。
得意不得意なども関係ありません。
とにかく配点の多い民法と行政法に時間を費やすのが鉄則です。

行政書士試験合格は一発勝負
ここまで試験の傾向と受験者について考えてきました。
三番目にお伝えしたいのはシステム的な話です。
行政書士試験には科目合格や一部合格のシステムがありません。
たとえば税理士の試験システムをご存知でしょうか?
税理士の試験では5科目の合格を勝ち取る必要がありますが、それぞれが独立しています。
たとえば5年かけて1科目ずつ合格していったとしたら5年目に税理士資格を入手できます。
行政書士試験には科目合格のシステムが存在しません。
つまり、合格するためには1回の試験でまとめて180点をとる必要があります。
また、基準点という足切りがあるため、どうしても少し運の要素が絡んでしまいます。
◆行政書士試験対策!一般知識に悩む時間にアディオス!の巻の中で基準点に関しては詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。
合格率が低い理由とは直接は関係しませんが、頭に入れておく必要がありますね。
難易度は合格率だけでは測れない
数字は嘘をつく
2019年のベストセラー「ファクトフルネス」をご存知ですか?
おもしろい本なので読んでみることをおすすめします。
数字というのは正確で裏切らないと思われがちですが、実は違います。
難易度を言い表すのは難しい
合格率が低いと言われれば正しいのですが、実際の難易度が高いかを考えるとそうでもないことがわかってきたと思います。
このあたりが「行政書士は簡単にとれる」と言われる原因でもあります。
対策をしていなければいつまでたっても合格できないし、戦略がしっかりしていればそれなりに簡単に取得できる資格と考えてもいいでしょう。
行政書士試験の合格について書こうとすると表現が難しいんですよね。
「簡単に受かる」は言いすぎですが、「難関資格」は誇張になってしまう…。
ブログを書いているとそんなことをよく考えます。
行政書士試験の合格には戦略が必要
ここまでの話をまとめると
- 受験資格がないこと
- 科目数が多いこと
- 一発勝負であること
が合格率を低くする原因とわかりました。
そこで実際に合格をするためには何をすべきかを考える必要があります。
答えは「戦略を持って試験に臨むこと」です
「なんとなく勉強した気になって試験日まで過ごした受験生」と、「具体的に何点とって合格するかを決めて過ごした受験生」では結果が違ってくるのは当たり前です。
道に迷わないために予備校選びを検討してみてください。

合格を目指すための投資を惜しまないでください。
行ったことのない場所にカーナビなしで運転するのって怖いですよね。
カーナビをつけるのは命と時間を守るため。
予備校で学習するのも同じです。
独学で合格したところで周りの評価は「ああ、すごいね」程度です。
正直なところ、自分のプライドが少し守られるだけです。
あなたの命と時間を守るために賢い勉強を始めてください。
私の犯した失敗をみなさんには経験してほしくない…。

最後に
どのような選択をして試験当日を迎えるのも自由です。
私は損しない勉強をブログで発信しています。
あなたが行政書士試験の勉強を始めるならば、私の失敗談を利用してください。
このサイトがあなたの勉強の一助になればそれほど嬉しいことはありません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
